仕入予算は適当に考えたらダメ④

仕入予算は適当に考えたらダメ④

仕入予算は適当に考えたらダメ④

売れる分だけ仕入れでも、多くの仕入ができる?

前回の記事で仕入原価予算の設定をしました。売上原価予算=仕入原価予算にすることこそ、”売れた分だけ仕入れる!”という形なりますので、結果。

Aさんの数字関連の目標は以下の通りになります。

・売上予算 1億1千万円
・粗利率予算 50%
・仕入原価予算 5,500万円
・値入率設定 60%

今回の記事では、このことから。皆さん方が感じられている疑問の。

”売れる分だけ仕入する!”では、売上予算の1億1千万など達成できるわけがないではないか!

という疑問にお答えしていきます。

以前、この記事のシリーズの冒頭で私の過去の経験をお話しました。

簡単に端折ってこのことを説明すると。

”売上予算に対して、130%を仕入元売価予算とする。”

そのような経験をした!ということをお伝えしました。

今回のAさんのケースに置き換えて説明すると。

売上予算1億1千万円の130%が仕入売価予算ということになりますから。。。

仕入元売価予算は1億4,300万円ということになります。

要は、1億1千万円の売上予算を達成するために、3,300万円オーバーの仕入をする!ということになります。

更に言えば!

3,300万円÷1億4,300万円=約23.1%

となり、年間で元々23.1%OFFセールをすることを想定している!ということになります。しかしながら、この決め方では、その組織の粗利。その先にある営業利益がどのくらいとれるのか?ということが全くわかりません。

仕入原価予算を仕入元売価に置き換えると?

ここで話を戻して、今回のAさんのバッグ屋のケースでは、

・仕入原価予算 5,500万円
・値入率設定 60%

となっています。

ということは??

仕入原価予算と値入率の設定が出来ているのですから、このAさんのケースは仕入元売価予算に置き換えることができる筈です。その際には、以前のこの記事で記載された以下の公式を使います。

(仕入)原価高÷(仕入)原価率=仕入元売価高

です。

Aさんのバッグ屋のケースをこの公式に当てはめると。以下のようになります。

5,500万円÷(1-60%)=1億3,750万円(仕入元売価予算)

となります。

このケースでは、売上予算1億1千万円に対して、実は2,750万円分多く仕入をする!ということなり、年間OFF率は?

2,750万円÷1億3,750万円=20%

となります。

仮に、このAさんのバッグ屋が、欲しいものばかりで全くセールしないで全ての商品が売れれば、売上高1億3,750万円 粗利率60%が達成でき、その分営業利益も多く上げられるということになります。

このように考えれば、”売れるぶんだけ仕入する!”という辻褄も合うということです。

実は値入率と粗利率の設定をする!ということが、ある意味運営上のブランドコンセプトを決めることに繋がります。

次回は、値入率と粗利率の設定が、何を意味しているのか?ということを詳しく説明していきます。

では、皆さん次回もお楽しみに。