残る在庫のことはどう考えたら良いの?②
前回の記事で残った在庫をどう考えるのか?ということをお伝えしました。
答えは!
”次年度
アウトレットやその他セールなどで、
消化しきれる金額(売上原価)の設定を
考えることがベターである。”
残る在庫は上乗せ仕入分??
このことを簡単に説明しますと。
例えば、2020年度の商品で残してしまった在庫は、次年度の2021年度にはキャリー品として扱う組織が、アパレル・ファッション小売業界では多い筈です。(何年も継続して売っている商品はまた別)
この2020年度で売れ残った商品が、2021年度にアウトレット(以下OL)等で売れる(セール込み)金額。それは、上乗せして、2020年度に仕入してもイイよね!!という考え方です。
Aさんのバッグ屋を例に、残る在庫=上乗せ仕入を考える
上記の例をより分かりやすく説明するために、今回もAさんのバッグ屋をモデルに考えていきます。
Aさんのバッグ屋の目標数字は以下の通りです。今回は新規オープンをする!というのではなく、数年にわたって営業実績があるとします。
・売上予算 1億1千万円
・粗利率予算 50%
・仕入原価予算 5,500万円
・値入率設定 60%
・仕入元売価予算 1億3,750万円
・年間OFF率 20%
今回は、商品在庫は残る前提として考えます。
本来、Aさんのバッグ屋さんのような1店舗しかない組織で、OLを持っている等ということはありませんが、今回は別場所での特売セールをOLとして考える!というようなコジツケにします。
そして、過去の特売セールでの、前年の残り物(キャリー品)の消化実績は、以前の記事で1年で約611万円!の売上原価とお伝えしました。
要は、毎年平均すると翌年度の特売セールで、約611万円の売上原価の実績があるのだから、プロパー店とも捉えることのできる、Aさんのバッグ屋は1年で611万円の商品在庫をのこしても良いじゃない!そのような考え方です。
すると。本来Aさんのバッグ屋の1年での仕入原価予算は?5,500万円でしたから。残してもよい611万円をプラスした。。。(Aさんのバッグ屋の1年での仕入可能原価金額)
5,500万円+約611万円=約6,111万円
この金額を仕入しても良いじゃないか!ということになります。
また、当然のことですが、Aさんのバッグ屋が予算通りの結果になった場合。
残った商品の原価が611万円になる!ということです。

因みに、この仕入可能原価金額を元売価金額に置き換えると?
6,111万円 ÷ 40% = 約1億5,278万円
となり、売上予算1億1千万円の約139%のもの仕入が可能になります。
次回は、今回の記事では詳しく説明しきれなかったことを、更に丁寧に説明していきます。
皆さん。次回もお楽しみに!