マーチャンダイジングの仕事で意識すべきこととは?
前回のブログでは、マーチャンダイザー(以下MD)の仕事は、商品面と数字面の仕事にわけられる。そして、
”マーチャンダイザーの仕事の商品面。数字面は車の両輪である!”
ということをお話させていただきました。
今回は、MDの仕事における、商品面と数字面の仕事は、どのようなことを意識して、仕事を実践すべき?または絶対な手法・手段ってあるの?ということを以下述べていきます。
商品面の仕事は自由で良い??
まずは、商品面。
MDが意識することしては、まずは毎回申しましているように、自分たちのブランド・ショップコンセプト。そして、コンセプトから浮き彫りになった顧客ターゲットこのことです。これは今までの連載でも繰り返し述べてきた通りです。
そして、商品面に関しての手法・手段。そして、私のオススメってあるのか?(よく聞かれる)ということに関していうと。。。
”MDの仕事における商品面の仕事での絶対的な手法・手段はない!”
ということです。
このことは、ある意味自由でいいと!。私は思っています。なぜならば、そのことがブランド・ショップにとっての”色”であり、”個性”でもあるのです。
商品面での仕事を、コンサル・企画会社や、自慢ばかりをする(自称)ディレクターに言われるがままの手法で行ったような、型にはまった品揃え政策に、ターゲットとする顧客は魅力を感じることがあるの?と私は常々感じています。
大事なのは、その手法・手段は何のために必要とするのか?ということの目的を見なければならないということです。
しかしながら、ある一定の規模を超えると、カセットMD(カセットMDこそ数字面との整合性が必要だが。。。)と言われるような型にはめ込むような、MD施策をとるところが多いのが事実です。
では、何故そのことが必要になるのか?
”年・シーズン・月等の、ブランド・ショップのMDにおける目標や戦略を、関わる多くのメンバーに共有してもらうことが必要だから!”
だということです。
規模の小さい組織なら、それこそデザイナーやオーナー等の思いつきで、商品面の仕事を実行しても何も問題はおきません。
しかし、規模が大きくなり、関わる人が多くなると、目的・目標・戦略を、多くの関わる人が共有できるようにするための、ツールが必要になる。ということです。しかも、そのことが具体的且つしっかりとしたものでないと、現場(店頭・EC・物流等)の実務者が大変な苦労を強いられることになります。
ですが、アパレル・ファッション業界は、よく手段が目的にすり替わる所が多いのが現状です。
だからこそ、その商品面の仕事で使用するツールが、目的と合わなくなってきたら、その手段を常に変化させる必要がある!ということを肝に銘じておいてください。
数字面の仕事で意識すべきこととは?
次は数字面の仕事です。
マーチャンダイジング(以下MD)における、数字面の仕事は、ある意味。自由であってはならない!ものです。
アパレル・ファッション業界に限らず、小売業のMDにおける数字の原則・基礎部分のルールは共通化すべきです。
(アパレル・ファッション業界での転職がうまくいかないことが多いのは、このことが要因の一つ。)
しかしながら、アパレル・ファッション業界では、商品面の仕事以上に、自由な数字管理をしているところが多いのが現実です。また、不必要な指標等も多く、そのことで週初めの月曜日が資料作り・会議に追われるなんてこともあります。
実は、私の仕事は、MDにおける数字面の仕事の改善アドバイスや講義を行うことが仕事です。今回のこの連載でも、以降は数字面の仕事中心の話になります。
マーチャンダイザーの仕事の目的って何??
話は戻り、今まで長きに渡って、5適等MDの仕事について述べてきました。では、皆さんにお聞きしたいのですが、MDの仕事の目的って何だと思いますか?
当然、皆さんは、MDの仕事を通じて、多くの人に商品を購入してもらい、売上を上げることだ!と答える人が多いことでしょう。それも正解です。
しかしながら、MDの仕事の目的は、売上さえ良ければいいものではないのです。
”(売上だけでなく)粗利益を多く獲得することもMDの仕事の目的なのです。”
粗利益?それって何のこと?という人も多いでしょう。今後の連載では、この粗利益に関わる話を多くしていきます。ですが💡次週は番外編として、マーチャンダイザーに必要な資質・能力について考えていきたいと思います。
では皆様。次回をお楽しみに。