今回は、前回出題した問題の解答を発表します。
(問題9)
ある組織の値入率は65%(仕入原価率35%)。1年の売上400億円。粗利率52%。期首在庫原価60億円。1年の仕入原価200億円でした。この組織の期末在庫原価はいくらになるでしょうか?
(問題9の答え)
上記の数字を下記OTBのロジックの数字に当てはめると?
期首在庫原価+(期間)仕入原価=期末在庫原価+(期間)売上原価
60億円+200億円=期末在庫原価+売上原価となります。
売上が400億円で粗利率52%と上記の問題文に記載されていますから、そのことから売上原価がわかります。
400億円×(1-52%)=192億円(1年の売上原価高)
これを期末在庫原価を求めるOTBの計算式に当てはめると?
(60億+200億円)-192億円=68億円(期末在庫原価高)
正解は、68億円です。
(問題10)
(問題9)の年間のOFF率は何%になるでしょうか?
(問題10の答え)
この問題の解答を以下数式だけ書くと?下記のようになります。
192億円÷(1-65%)=549億円(元売価換算した際の1年の売上)
549億円ー400億円=149億円(1年でOFFした額)
149億円÷549億円=27.1%(年間のOFF率)
しかしながら、このように解くのが難しい!という人もいます。(事実私がそう)前回の記事でこの問題にヒントを下記のように書きました。
”この問題が理解しづらい人は、この問題が単純にOFF率を求める問題である!と考えることです。
要は、値入率65%で仕入れた商品が、結果粗利率52%で売れた。OFF率は何%になるでしょうか?という問題と同じことだと言うことです。
ですから、商品の元売価設定を1,000円や100円など計算しやすい数字を用いると、遠回りにはなりますが、問題を解くことができるでしょう。”
上記のヒントを基に、今回は元売価1,000円の商品だとして、この問題を解くと下記のようになります。
値入率65%だと仕入原価は350円。結果、売上原価も350円。粗利率52%なので、売上原価率は48%。
350円(売上原価高)÷48%(売上原価率)=729円(売上)となります。
1,000円ー729円=271円(OFFした金額)
271円÷1,000円(元売価)=27.1%
となり、上記と同じ答えになります。
(問題11)
(問題9)の組織の在庫回転率は、どのくらいの数字になると推測されますか?
(問題11の答え)
在庫回転率の計算式は?
在庫回転率=(期間)売上(原価)÷(期間)平均在庫(原価)です。
売上原価は上記の問題を解く際に、192億円と算出できていますから、平均在庫が算出できれば良いということになります。
前回の記事でこの問題のヒントは?
”よく教科書等で使用されている平均在庫算出の方法を用いれば良いでしょう。”
と記載されていますから、そのことを用いると?
平均在庫=(期首在庫+期末在庫)÷2
これが、一般的に知られた平均在庫を求める計算式ですから。
(60億円(期首在庫)+68億円(期末在庫))÷2=64億円(推測される1年での平均在庫高)
よって、正解は?
192億円÷64億円=3(1年での在庫回転率)
正解は3です。
今回の問題のようなことは、常日頃MDの業務で起こっていることになります。空いた時間で、このようなことがすぐに計算できるよう、自分自身で問題を作って解いてみましょう。次回は、仕入予算関連の問題を出題します。
では、皆さん次回もお楽しみに。