アパレル・ファッションECのSEO対策はどうしたら良い?

アパレル・ファッション関連のECサイトにおいて検索流入の対策は軽視されがちな印象があります。理由はいくつかあるのですが、 ■ブランドは「指名検索」が発生していなければ売れにくい ■広告やSNSからの流入促進が優先されやすい あたりでしょうか。筆者が現場で支援に入る際も「検索以外」のチャネルにて「課題がある」と思われているお客様は多いのですが、実はそんな中でも検索対策を施せば機会損失が回避できた、というケースは多々ございます。誰でもできる簡単な対策もあるのですが、意外と手を付けていない方々が多いのでこちらで簡単に記載しておきたいと思います。   アパレル・ファッションのECサイトにSEOは必要ない? 冒頭でも書きましたが、よくこのようなお話が出てきます。これ、言っている意味としてはおそらく、 「ビッグキーワードを狙うことに意味は無い」 という話かと。例えばとあるファッションブランドが「ブラウス」というキーワードで上位を狙ったとしましょう。その場合、様々な競合サイトが検索上位に並びます。その中には広告宣伝費を潤沢にかけている大手の有名ブランドも出てくれば、膨大なSKUを誇る大手のECモールが表示されたりします。雑に言いますと、「認知度が高い」「SKUが多い」ECサイトは検索で上位表示されやすいので、競合した際に大概は負けてしまいます。また、仮に上位表示されたとしても、ブランドとして大手より認知が低いものは購入まで至る可能性は低いでしょう。物と価格のバランスでも比較されますし、物を知らない場合は単純に安いものが選ばれやすいです。そんな理由でビッグキーワードを狙うことは非常に費用対効果が悪いのです。 上記のような事情がありますから、結局アパレル・ファッションECの検索対策は「いかに指名検索のボリュームを増やすか?」になりますし、その場合は雑誌掲載や出店等の施策の方が重要になります。また、リスティング広告でビッグキーワードに入札しても購入に至る可能性は低いでしょう。 ※プチプラでSKUが多いサイトは少なからず勝機がありますし、筆者のお客様でもビッグキーワードで検索1ページ目に表示された結果、そのページ経由での売上が急増した、という事例はございます。対策を施すなら「ブランド属性」や「どのアイテムなら勝機があるか?」は事前に確認が必要でしょう。 指名検索が発生している場合は機会損失していないか要チェック ではどういった際に検索対策が必要になるのでしょうか。それは自社ブランドにて既に「指名検索」が多く発生している場合です。 「指名検索が発生していれば、すぐ売れるのでは?」 と思われるかもしれませんが、これが上手く最適化できていないケースが多いのです。最大の理由は、 「指名検索の中でも検索ニーズは細かく分かれる」 からですね。search consoleのデータから一度、ブランド名だけを絞り込んでクエリを確認してみてください。下記のようなクエリが多く見られませんでしょうか。 search consoleにて、 検索パフォーマンス→「+新規」をクリック→「検索キーワード」にてブランド名を入力 ※「平均CTR」「平均掲載順位」も表示させておいてください。    ①「ブランド名 アイテムカテゴリー名」  ②「ブランド名 店舗」  ③「ブランド名 地域名」 ④「ブランド名 取り扱い店舗名」 などが表示されるかと思います。これ、見ればお分かりかと思いますが、それぞれのユーザーによってニーズが違いますね。では細かく見ていきたいと思います。 クエリごとに実行する対策は異なる ではまず、 ①「ブランド名 アイテムカテゴリー名」 での検索ですが、これはユーザーがそのブランドのアイテム群を検索しようとしています。自社ブランドのアイテムなんだから当然効果は高い…、と思われがちですが、クリック率を確認してみてください。アイテムによってばらつきがありますし、中にはクリック率が10%を切っているものも珍しくありません。何故このようなことが発生するのでしょうか。主な理由は下記になるでしょう。 ・カテゴリー一覧ページのタイトル/ディスクリプションが適切でない ・卸先の競合ショップが上位表示されている ・ZOZO/Amazon/楽天などの他社ECモールが上位表示されている...

ECの新規獲得はどうしたらいい?

ECにおける重要な機能は「機会損失の回避」であり、まずはここを防いでいく事がコストに対して売上のインパクトが大きいというお話を以前からしてきました。そして、よく勘違いされているのが「ECを始めれば売上が伸びる」と思われている点です。 確かにアパレル大手の業績推移を見ていますとEC化率が右肩上がりに伸び、EC売上自体は増加傾向にあります。しかし、ブランド全体の売上推移で見ればどうでしょうか?決算書を調べてみるとよくわかりますが、既に成熟したブランドでは、EC売上が伸びているからと言って全体の売上が伸びているケースの方が稀です。これは、既存の不採算店舗を削減していきECに売上をシフトしていく事が目的であり、EC売上が伸びているのは店舗の既存顧客からの売上が中心だからです。     ECで新規獲得は難しい? ECを生業にしている人ならよくわかるでしょうが、新規獲得はWebだけで完結しません。と言うより、Webだけを独立させて考える事に意味が無いのです。 ECにおける実店舗の活用法   以前こちらでも書いておりますが、認知してもらい、そこからブランドのファンになってもらうには店舗が最も効率的です。もっと言ってしまうと、商品自体に魅力が無ければそもそも新規獲得など出来ません。「物が良い」という前提があり、物を実際に見てもらう以上にファン獲得を促進する方法は今のところ存在しません。また、店舗に訪れたお客様がその後、検索行動を起こして商品を購入するかどうかは接客の影響もあるでしょう。お客様のニーズや課題に合った商品の提案によって、そのブランドの良さやブランド名自体を認知してもらえるか。接客のクオリティによってもEC売上は影響を受ける事が当然ながらあるのです。   オンライン専業ブランドはどうしているか? こんなお話をしていますと、 「D2Cブランドは店舗が無くても成長している」 と聞こえてきそうです。昨今はソーシャルメディア(特にInstagram)を活用してファン獲得を促進し、ブランドを成長させるケースが増えてきたのも事実です。では、これらのブランドは一体どういった手法を使って新規獲得に成功したのでしょうか? SNS広告 直近で最も費用対効果が良いのはSNS(Instagram)広告でしょう。見込み客の興味関心のありそうなキーワードを複数設定していくと、精度の高いターゲティングが可能です。Instagramの広告が優れているのは、見込み客に対してヴィジュアルで訴求出来る点でしょう。そもそも画像投稿のSNSなのでヴィジュアルの広告が出てきても違和感が無く、広告からブランドを認知し、購買に至るケースは若者の間でも全く特別な事では無くなりました。認知の無いブランドでも上手く広告を回せば、見込み客としてのフォロワー獲得単価は100〜200円程度で済む事もあります。AdWords広告ならECの会員獲得にその100倍はかかる事も珍しくなかったのがこれだけ安価で可能になった事で、ECの可能性を大きく広げてくれました。(会員獲得とフォロワー獲得を単純比較は出来ませんが)それでも年齢層や商品の価格帯によって、売上に直結するかはまちまちなので注意は必要です。 オススメは品揃え計画に沿った店頭イベントを企画しておき、そこの集客施策として広告を活用する手法ですね。目玉商品・ノベルティ・サイトコンテンツ・インフルエンサー活用などもミックスしておけば尚良いかと。   インフルエンサー活用 一時期はバブルのようになっていたインフルエンサーを使ったPRですが、最近はその効果もやや弱くなってきていると感じます。そもそもフォロワーの多い人に誰彼構わず依頼するのではなく、自ブランドのイメージと合う方・自ブランドを本当に良いと思ってくれている方にPRしてもらうべきでしょう。また、昨今はフォロワーを買っている「偽インフルエンサー」もいたりしますので単純なフォロワー数だけで効果が計れなくなっています。 商品をインフルエンサーにお渡ししてポストしてもらう、所謂「ギフティング」ですが、こちらも効果が薄くなってきていますね。あまりにもPRが溢れてきたせいか、ユーザー側にも「どうせ使ってないのに…」とバレるケースが増えてきました。   結果、「効果の割りに売上が伸びない」という事例が非常に多く、費用対効果が悪くなっています。筆者の計測している過去データでは、何の企画も無しだとフォロワー数の1%程度がECに流入し、購入となるとそこから更に1%程度。これで良い方です。つまり1万フォロワーいても購入に至るのは1件程度が期待値と思っておいて良いでしょう。それでも使い方次第で数字を伸ばす方法はありますので、インフルエンサー活用する場合は、 ◯丸投げでポストしてもらうのではなく、企画を練る ◯ブランドの販促やサイトコンテンツと連動させる ◯毎回、しっかりと効果検証をする 上記を徹底しましょう。ECサイトのコンテンツやInstagramに投稿するヴィジュアルとして活用出来れば費用対効果も上がります。インフルエンサー本人にその内容を拡散してもらえれば認知には繋がるので、運用で上手くカバーしていくのがオススメです。最近ではインスタグラマーだけでなくYouTuberを活用したPRも増えてきていますが、こちらも同様に企画が無ければ効果は弱いでしょう。   このような事を書きますと、「じゃあSNS広告回しまくればいいやん」と思われそうですが、それで上手くいくなら誰も苦労しません。ブランドは「商品」「店舗」「販売員」「雑誌掲載」「SNS」など、タッチポイントでの総合力が求められます。特に商品力次第ではリピート率や顧客力が大きく変わって来るので、根幹を疎かにしていると継続的なビジネスは難しいでしょう。広告で1周目は売れたとしてもリピートに繋がらない、というD2Cブランドもたくさんあるのではないでしょうか。昨今のD2Cブランドの成功事例を見ていますと、初期フェーズに潤沢過ぎるほどの広告費を投下し成長してから回収、というケースがいくつか散見されますが博打に近い印象を受けます。在庫をとにかく積んで販促費をかけまくり見せかけの売上を積み上げ在庫過多の赤字垂れ流し…、といったバイアウトありきのスキームではなく、健全なブランド運営を心がけましょう。

ECのサイトコンテンツとソーシャルはどう連動させる?

EC運用のディレクションをしておりますと、避けては通れないのが「ソーシャルメディア」の活用法。筆者はソーシャルの専門家ではありませんので、ブランドとしてどういった方針でソーシャルを運用するか?については言及致しませんが、ECを運用していく上で、ソーシャルメディアを効率良く活用する方法はわかりますのでそちらについてお話していければと思います。(ていうか、ブランドコンセプトが明確であればそれに沿ったコンテンツが生み出されているはずなので、投稿内容は自ずと考案されるはずなのです。)   サイトコンテンツもソーシャル運用もMD設計から紐解かれる ECサイト内でもコンテンツを作り込まなければならないのにソーシャルでもまた作らないといけないの? とお思いの方もいらっしゃるでしょうが、そんな事をする必要はありません。そもそもサイトコンテンツの作り込みも、MD設計がしっかりしていたら困るはずは無いのです。 サイトコンテンツの充実は何の為? こちらに関しては前回の記事でもお話していますね。手順を簡単に書くと下記のような感じでしょうか。   ◯MDを設計する ・シーズンごとの品揃え計画立案 ・品揃えに合わせた展開計画立案(シーズンテーマに沿ったスタイルの提案を各月ごとに落とし込む) ・展開計画に合わせた販促計画(雑誌掲載・店頭イベント企画・ポップアップショップなど) ◯MD設計に合わせてサイトコンテンツを作り込む ◯サイトコンテンツの素材を活用してソーシャルで投稿   めちゃくちゃざっくり書きますとこんな流れですね。 (佐藤マサさんブログからお借りしてきましたが、MDマップはこんなイメージですね。)MD戦略の見直しは簡単ではない!   つまりMDが完成した段階でやる事はほぼ決まってる、という事です。「弊社にMD設計が無いのですが…。」という方はスタート時点で躓いてますので、まずはMDから始めましょう。 ブランドの根幹はMD設計以外に無い   具体的にはどうすればいい? アパレルの現場出身者であれば、ここまで言えば次にやる事は見えてくるはずです。例えば、秋冬シーズンにてニットの強化品番があったとしましょう。 ハッシュニュアンス「ニットの季節真っ只中」   まずは強化品番に沿ってアイテムをピックアップした後、コーディネートなどの見せ方を決めます。そのコーディネートで撮影すれば上記のような特集記事で使うビジュアルがまずは完成しますね。もし、そのような撮影が厳しい場合は店頭の販売員さんにコーディネートを指定して撮影してもらいましょう。スタッフコーデページを運用しているブランドなら一石二鳥ですね。MDの設計次第で販売員コーデページの運用スケジュールも決まっちゃう上に、コーデページのコンテンツがそのまま特集にも活用出来るのですから。 特集記事内のコーディネート→各商品詳細ページに送客 という導線が作れましたら、商品詳細ページ内には「関連記事」として逆に特集記事への導線を作りましょう。スタッフコーデページがあるのでしたら関連コーデも同時に表示させ、クロージングの確率を高めましょう。検索やメルマガから商品詳細ページに直接流入するユーザーもいますからその対策になります。   このような計画は店頭があるブランドなら当たり前のように決めている事ですが、ECだと忘れられがちなのは不思議ですね。   次に、特集記事が投稿されるタイミングでinstagramのフィードやストーリーズで投稿しましょう。フィードで投稿する場合、最近ではミニブログ形式で複数枚投稿が流行りですね。画像に文字入れをしておき、誰でも気軽に読めるようにしておきましょう。長文記事を読むのが嫌なユーザーはこちらの形式が望ましいでしょう。 ストーリーズで記事の更新通知を投稿する場合、フォロワーが1万人以上のアカウントはリンクが貼れますので記事ページへ送客しましょう。その後、ハイライトへ追加しておけばいつでも記事への導線が確保出来ますね。ソーシャルとは関係ありませんが、記事へのバナーを作成しておき、メルマガにも貼っておくと尚良いです。   記事の企画は店頭展開を参考に...

サイトコンテンツの充実は何の為?

機会損失はある程度回避出来てきた。 メルマガ等で会員に告知も徹底している。 店舗活用で見込客をECに誘導した。 ここまで来るとEC担当者は「そこそこ運用が回ってきたな」と体感でも感じてくるでしょう。ですが、ここまではあくまで準備段階。EC運用の難易度が徐々に上がってくるのはここからです。 では次に手を付けるべきはどこになるのでしょうか?   サイトコンテンツの効果検証と充実 何故、これまでの動きが準備段階なのか?と言いますと、その多くは「目的買い」のお客様の為の施策だったからです。ECサイトは目的買いの側面が強いと、このシリーズで再三お話してきましたが、サイトの中には購入を迷われている方も当然いらっしゃいます。GoogleアナリティクスのCV経路を見るとそれがよくわかる、というお話は以前にもしましたね。 指名検索はどう購買に繋げるのか? ユーザーはソーシャルメディアやメールマガジン、広告のクリエイティブやサイトコンテンツを様々経由して購買に至る、という内容でした。   そういった、購買の為の情報を探されている方々に情報量を担保し、背中を押してあげるのがサイトコンテンツの役割になります。まさに店頭接客と同様ですね。 今公開しているサイトコンテンツは効果があったのか? また、 どのようなサイトコンテンツがCVに寄与するのか? を常に試行錯誤する事がEC担当者の重要なお仕事になります。それではアパレルECにおける「よくあるサイトコンテンツ事例」を簡単にご説明していきます。   <シーズンルック・スタッフコーデ> (adore  2020AW) ファッションブランドなら大概は用意されております「シーズンルック」。店頭の名残りから、ルックは何となく掲載しているブランドもあるのではないでしょうか。これ、ユーザーからすると貴重なコーディネートの材料なのです。そのせいか、シーズンルックはサイトコンテンツの中でもトラフィックが多く、またCVに寄与しやすい。にも関わらず、ルックから適切に商品ページに導線を引いていなかったり、遷移した商品ページの画像がルックと全く違う色の画像を使っていたりとユーザーにとって優しくないケースも見かけます。これらは離脱の元になりやすいのでご注意ください。   (.st「STAFF BOARD」) 同様の理由からスタッフコーデもキラーコンテンツの一つですね。大手アパレルであれば販売員さんの数も多く、その分様々なコーデのバリエーションが見れるのは強みでしょう。自ブランドだけで型数が少ないのであれば、他ブランドをコーデに差し込んでも問題ありません。むしろ、顧客がよく着用するであろうブランドを知っているなら、組み合わせる事でイメージが膨らみやすくなります。ファッション雑誌の「スタイリスト私物」的に差し込んでみるのも良いでしょう。   <ブログ・特集などの記事コンテンツ> (BEAMS 特集) 記事コンテンツは、顧客属性によって内容を変化させる必要がありますが、商品情報を担保するのに重要なコンテンツです。「セール告知(目玉商品の紹介など」「コラボ」「雑誌掲載」「強化品番のプッシュ」などなど、ブランドのMD設計・施策と連動して公開しましょう。メルマガ・ソーシャルとの連携も必須ですね。   (BEAMS 特集) 女性は商品の説明より、商品の見た目・雰囲気を重視する傾向にありますので、文字数を減らし画像を増やさないと離脱率が上がりますし、画像の種類も全身が写ったスタイルがわかるものが望ましいでしょう。逆に男性はうんちく・雑学が好きだったり、商品スペックやディティールの情報を求めたりしがちです。年齢層が低い場合はこの限りではありませんが、おじさんメインなら活字活用は問題無いでしょう。  ...

ECにおける実店舗の活用法

ECは実店舗より販管費が低く、利益率が上がりやすい。そんなお話が数年前から業界でも取り沙汰され、多くの企業がECに徐々にシフトしてきました。コロナの影響でその勢いは加速し、大手アパレルでも「EC化率50%を目指す」と宣言していますね。ベイクルーズやナノユニバースのような有名企業・セレクトショップのEC化率が40%近くに伸びてきており、このような動向は特に珍しくなくなってきました。 だからと言って、単純に実店舗を減らしてECを増やす施策が良いかどうかはよく考えなければなりません。それはブランド属性によってECと実店舗の活用方法が大きく異なるからです。特に実店舗を活用しやすい点で言いますと下記になりますでしょうか。   ①指名検索を発生させる 指名検索数を増やしたい時、Webで完結するような施策ばかり考えていませんか?もちろん、Web施策で指名検索を増やす事は不可能ではありません。インスタライブやTwitterによる拡散など、筆者が過去計測した中でもソーシャル施策は特に指名検索増加に寄与するケースが多く見られます。 しかし、ブランドの属性や段階においては機能しづらい場合もあります。ブランドの初期フェーズであったり、ターゲットユーザーの年齢層がやや高かったりと、その理由は様々。そんなブランドでも唯一、指名検索をすぐ生み出す方法があります。それが実店舗の接客です。 ・ブランド名を覚えてもらう 「その商品に需要はあるのか?」をまず確認しましょう こちらの項目にも記載しておりますが、実店舗に来店されるお客様の中には、ブランド名を知らないままフラッと入ってくる方がたくさんいらっしゃいます。その方々に、ブランド名だけでも覚えて帰ってもらえるように接客しましょう。読みにくいブランドであれば、読み方を覚えてもらえないと検索なんてしてもらえません。また、間違った読み方で検索されると、正しくデータ検証できない場合もあります。しっかりと接客が出来た後は、帰りがけにショップカードもお渡ししましょう。お買い上げに繋がらなくとも、名前を覚えて頂ければ、後々検索流入から再来店に繋がる可能性もあります。初期フェーズは無理にECで販売しようとせず、Web活用も店頭送客に力をいれましょう。常設店が無いのでしたらポップアップショップにて同様の取り組みが求められます。今も昔も、結局「認知」に一番強いのは店舗なのです。   ②ECの会員数を増やす ECの会員を増やす為にクーポンを付与して登録を促進したり、またそれをソーシャルで拡散したりとWebで完結する事ばかり考えがちですが、こちらも実店舗を活用する事で効率を上げる事が可能です。会員カードを発行したり、アプリに登録してもらったり、といった取り組みをしているブランドなら尚更ですね。お買い上げ時に登録のメリットをお伝えして、登録を促進しましょう。 会員数増加を目指すなら特典をしっかり設計しましょう 以前書いたように、特典がしっかり設計されていますと登録してもらえる可能性が上がります。ECサイトでも実店舗でも関わってくる事なので、会員特典は非常に重要なポイントなのがよくわかりますね。  カードやアプリが無い場合は、お買い上げ時にLINEアカウントの登録を促進しましょう。特に百貨店に出店している場合、百貨店側はECへの送客を非常に嫌うのですが、LINEアカウントであればまだ監視が緩く、登録のハードルが高くありません。LINEアカウントの友だちに登録さえしてもらえれば、その後、ECサイトへの誘導が容易になります。会員特典のプッシュから新商品入荷のお知らせ、サイトコンテンツ更新の告知など、接触頻度を高めて顧客に育成していきましょう。   ③ECのサービスを補完 ECを頻繁に利用する方でも、実店舗と連携したサービスをよく使う人はいらっしゃるでしょう。例えば、 ・試着(ショールーミング含む) EC上で試着予約を取り付け、店頭にて試着。ECは買い上げ率の向上に、実店舗は集客として効果がありますね。 ・店頭受け取り 店舗数が多いブランドであれば、店頭受け取りを可能にする事で送料が発生しません。ECの荷造運搬費は必須のコストとは言え、販管費の多くを占めます。多店舗展開できているブランドにとって店頭受け取りは大きな強みなのです。顧客側としても、自宅で受け取りとなるとその時間には仕事で帰れなかったりと、宅配時間の問題が解決されるので双方にとってメリットが大きいサービスですね。 ・店頭接客をWebコンテンツに落とし込む 今流行りのスタッフコーデページも、結局は店頭があり、スタッフがたくさんいるからこそ成り立つサービスです。店頭接客はまだECに十分に落とし込まれていませんので、ここは大きな課題でしょう。店頭を削る事によって、ECのコンテンツがそれだけ削られていくという事は理解しておいた方が良いでしょう。   上記がわかりやすい実店舗のメリットでしょうか。もちろん、「不採算店舗でも存続させろ!」と言う訳ではありません。ブランドの今の実力を無視して、古くから踏襲される多店舗展開による売上増加施策を採り続けたせいで、必要の無い店舗まで作られている事は否定のしようがありません。しかし、ECに偏重するあまり、実店舗のメリットを考えずに閉鎖していくと、ブランド全体の利益が損なわれるかもしれませんし、下手をするとECにさえ悪影響を及ぼす可能性がある事は理解して頂きたく思います。

会員数増加を目指すなら特典をしっかり設計しましょう

ECサイトの売上アップを狙う際に、担当者が確実にチェックしなければならない「会員数」。お買い物の際に会員登録が必須のサイトもありますし、会員登録してもらえたらブランド側は次回からメルマガ等で様々な通知が可能です。(メルマガを拒否しているユーザーはもいますが) しかしここで重要になってくるのが会員数だけでなく、そのリピート率。どのEC関連本にも書かれていますが、ECはとにかくリピートが命。それには筆者も同意なのですが、アパレル商材は他の商材と違いリピートをコントロールするのが特に難しい。ビューティー関連のように消耗品であれば、無くなりそうなタイミングで通知しておけば購入率は上がったりもするのですが、アパレルでは新商品が入荷したからと言って昨年の服が無くなった訳ではありません。新商品入荷や記事コンテンツの更新、セール通知など、何かあれば随時連絡し、ユーザーとの接触頻度を上げていく事。そしてブランドの顧客へ育成していく事が最もリピートに繋がっていきます。   会員特典ちゃんと設計できてる? ファッションブランドは自社EC以外にも、ECモールやセレクトショップへ商品を出品するケースが少なくないですが、普段から他社のECでお買い物しているユーザーが、わざわざ面倒くさいユーザー情報を登録し直して自ブランドのECサイトでお買い物をしてくれるでしょうか?同じブランドを購入するのであれば、普段からお買い物しているサイトで購入する方が遥かに楽ですし、クーポンやポイント還元も他社モールの方が充実している可能性が高い。このスイッチングコストを払ってでも自ブランドのECで購入してもらうには、 ①ブランドロイヤリティを高め、フルラインを見たいユーザーを増やす②オフィシャルでしか実現できない特典を用意  といった対策が浮上します。①は顧客育成が肝なのでブランド全体の戦略になりがちですが、②は簡単に設定が可能です。にも関わらず、意外と抜け落ちているブランドが多く散見されるのです。   オフィシャルでしか出来ない施策ですが、例えば ◯会員ランクを設定し、ランクに応じた特典の差別化◯to C向けに会員限定で展示会を開催し来店客が発注した場合、非売品のノベルティを進呈◯新シーズンにはカタログを配送   などなど様々考える事ができます。こういった特典は他社のECでは実現し辛いものもあり、またプライシングに影響が無い施策なのでどんどんやっていくべきかと思います。しっかりと会員特典ページを作り込んでそこにユーザーを送客したり、商品詳細ページに特典の内容を記載しても良いでしょう。中にはInstagramのハイライトに会員特典を掲載しているブランドもありますね。会員登録のCV(コンバージョン)を見て、鈍いようなら特典の見直しを再検討しましょう。   リピート率を高めるには? 会員数を増やすための準備が出来たら次は、冒頭で記載した通り接触頻度をとにかく増やします。新商品入荷や記事コンテンツ更新の際にメルマガを配信し、配信数を増やす事で再訪率を高め、リピーターを増やしていきます。ここでも、ただメルマガ配信するだけではなく、  「メルマガ=有益な情報」 である事が求められます。ブランドのファンからすると新商品入荷情報は有益な情報になるのですが、ブランドのMD区分によって入荷のタイミングが変わってきます。年間を4分割なのか、それとも8分割なのか。分割すればするほど企画が甘くなったりする弊害もあるのですが、入荷のお知らせを細かく配信する事は可能です。なので、アパレル商材はMD区分によってリピート率が変化しやすかったりもします。   具体的なメルマガ運用法 商品入荷やコラボの展開、セール告知以外にメルマガ配信で忘れられがちなのが記事コンテンツ更新のお知らせですね。特集を経由させる事で商品のCVRが上がりますので、メルマガを使ってしっかり運用しましょう。メディアコマースは毎日結構な数の記事を更新しており、日々通知しています。それくらい徹底する事で接触頻度を増やしているのです。 集英社が運営する「flag shop」では、記事コンテンツの告知はテキストメールで、商品訴求はHTMLメールでと使い分けが見られますね。   また、開封率を上げる為にはメルマガのタイトルに注意する必要もあります。セールであればオフ率の表記であったり、目玉商品の紹介。ブランドにとって注目度の高いイベントや商品展開などあれば積極的にタイトルに差し込みましょう。     メルマガで訴求された商品はその後、ブックマークされダイレクトで再訪が繰り返され比較検討される事がよくあるのですが、その場合はGoogleアナリティクスの、   行動→サイトコンテンツ→すべてのページ   から商品だけを絞り込み、PVと閲覧開始数を確認してみてください。ユーザーが比較検討している商品が推測できますので、再入荷や値引きなどがあればすぐメルマガで訴求してください。   一番効果が高いのは「かご落ち」と「再入荷告知」 ここまで運用方法をつらつら書いておきながら非常に申し訳無いのですが、メルマガで最も効果が高いのは「かご落ち」と言われる、カートに商品を入れたが購入に至らなかったユーザーに対しての配信と、再入荷告知の配信です。既に需要が顕在化されているユーザーに再度訴求するのですから効果が高いのも当然なのですが、とりこぼしが無いよう徹底しておきましょう。このような機会損失の回避こそECの真髄と言えるのですから。...

ECでセット率を上げるにはどうしたら良い?

アパレル店舗で客単価を伸ばしたい場合、一般的なのは「セット率を上げる」事が考えられるでしょう。ECの業界ではパック率と呼ばれているかと思います。  販売員さんが店舗でセット率を上げようと思うとどういった手法を使うでしょうか?パッと思いつくところだと「コーディネート提案」が出てきやすいのではないでしょうか。コーディネートを訴求しやすいシーンは主にフィッティングルームなので、販売員さんはお客をフィッティングに誘導した後、試着アイテムに合うものを提案するのが主流ですね。このせいか、ブランドによってはフィッティングルームに誘導した回数を店頭のKPIに設定している事もありますし、フィッティングルームに誘導する為に、試着を伴うアイテムの訴求(パンツ・スカート)をメインにする事もあります。 これをECに置き換えるとするなら、特集記事にてコーディネートを訴求したり、サイトコンテンツに販売員さんのスタッフコーデをアップしたり、などがよく見られます。店頭の販売員さんがおすすめ、もしくは着用しているコーディネートをそのまま購入すればスタイルは既に完成されているし間違い無い…。と思うのですが、ECでは意外とこれで劇的にセット率が上がるケースは稀です。   セット率は「顧客育成」によって上がる 弊社で計測しているデータを検証してみると、コーディネート提案で改善されるのはCVR(コンバージョンレート)、つまり買い上げ率です。多くの人はコーディネートを見ながら、自分が気になっている商品の着こなしを想像し、当該商品の購入の背中を押されている、といった具合でしょうか。   では、どうしたらセット率は上がるのでしょうか?   この答えこそ、「顧客育成」に他なりません。自社ECでお買い物をされるお客様はそのブランドの濃いファンの方が多くいらっしゃいます。濃いファンは、商品を店頭でしっかりチェックした後、ECで購入を検討したり、またその逆にECで商品をチェックしてから店頭に行ったりします。商品ページ自体をブックマークしている人も多いでしょう。そのせいでECでの購買行動で見られるのは、 ◯店頭で見て気になった商品をECで複数点チェックしていて、再訪を繰り返してセットで購入。◯気に入った商品の色違いをまとめて大人買い。◯ブックマークしていた商品がクーポン・セール対象になったタイミングでまとめ買い。 という動きです。 つまり、セット率を上げて客単価を伸ばしたいのであれば、ライトユーザーを育て、顧客化していけばいいのです。(と簡単に書いてますがそれが一番難しいです)   どうしたらリピートしてもらえる? 身も蓋も無いお話をしますと、リピート率と一番相関があるのは「商品力」でしょう。物さえ良ければ勝手にリピート率も上がりますし、結果顧客化していきます。商品力は機能・品質面だけでなくトレンドを含めたデザイン性も関わってきますから、非常に曖昧でコントロールしにくいものです。こちらはECとは違う領域なのでここでは割愛致します。 それ以外で顧客化を目指すなら、店頭を活用するのが一番簡単な方法でしょう。新規ユーザーを、ECやソーシャルを活用しながらなるべく店頭に送客するのが良いかと。この場合、店頭で受けれるサービスの充実やキャンペーンの訴求・店頭販促の打ち出し・館の優待情報などなど、店頭に来てもらうきっかけをプッシュしましょう。あなたのブランドのECやソーシャルに訪れている時点で少なからず興味関心があるユーザーではあるのですが、いきなりECで購買に繋げるのは非常に難易度が高い。なので、まずは店頭に来てもらい物をしっかり見てもらう事、販売員さんの接客を受けてもらう事を優先しましょう。 店頭販売員さんからしたらECと店頭の両方を活用、と聞くと売上の取り合いになると思われるでしょう。しかし結局ECで一番買うお客様は店頭顧客です。また、顧客育成はweb上で何もしない訳ではなく、ブランド情報との接触頻度を高め、再訪率を上げてリピート率を高める事も求められます。こちらに関してはまた次回に詳しくお話したいと思います。

UGCはどう増える?

普段皆様がブランドを認知するきっかけは、どのようなものがあるでしょうか?筆者も過去、様々な人にこの質問を投げかけてきましたが、大抵は下記項目が挙がります。 ◯店舗・商業施設◯家族・友人からの紹介◯ソーシャルメディア◯ECモール 最も多いのはやはりリアルでの店舗展開でしょうか。自分の生活圏内やよくお買い物に行く商業施設内にあるブランドは認知しやすいようです。 近年の特徴としてはソーシャルメディア・ECモールでブランドを認知するといったケースが多く見られる事でしょうか。ZOZO・楽天・Amazon上で絞込みをかけた際、もしくはクーポン・タイムセール対象商品、広告によって露出が増えて認知する、といった事が挙げられるでしょう。 そして何と言っても特に増えたのがソーシャルメディアからの認知。お気に入りのインフルエンサーや友人が着用していた、ハッシュタグで検索した際に出てきた、SNS広告で表示された、などなど。ソーシャル上でのユーザーの滞在時間が長いのですから、このような現象も当然の事ではあります。   UGCは購買に直結しやすい? ソーシャルメディアのユーザーが自らブランドについて投稿する事を「UGC(ユーザージェネレイテッドコンテンツ」と言います。ソーシャル上の投稿だけに関わらず、ブログでの投稿やEC上でのレビューなんかもこれに当てはまるでしょう。 UGC…一般ユーザーによって作れられたコンテンツ。   UGC発生からすぐ購買に結びつくケースばかりでは無いのですが、ポジティブなUGCが発生すると、当然ブランドにとってポジティブな効果が生まれやすい。その投稿を見て指名検索からサイトに流入するケース、Instagramで検索してフォロワーになるケースなどなど、ファン獲得に繋がるアクションが発生しやすいからですね。リアルだと「家族・友人からの紹介」での口コミが、デジタルで拡張されたケースでしょうか。家族・友人よりも信用力は落ちるものの、拡散される範囲が広くなったという側面はあります。そういった事から、ブランド側も何とかしてUGCを増やそうと試みている訳です。   効果的な製品戦略 Web・ソーシャルに弱い人が陥りがちなのは、「自分たちが知らない拡散方法があって、それを実行すると容易に集客が可能なのでは?」と考えるケースですね。はっきり言いますが、そんな都合の良い技術など存在しません。デジタルは、リアルでの施策を広範囲に伝えるものなので、リアルがダメな場合は何をやってもダメです。そのような特性を考えると、やるべき事は自ずと紐解かれます。筆者が過去経験したUGC発生のケーススタディは下記になります。   ロゴ・アイコン ブランドを象徴するロゴマークやアイコンアイテムは、「そのブランドを使用している」という事をわかりやすく伝えてくれますので、ユーザーが自らソーシャルで投稿してくれる確率が高い。ブランドロイヤリティが高ければ高いほどUGCが多く発生しますので、製品にはロゴの付いたものは必須です。一般的に多いのはロゴTシャツでしょうか。定番で毎シーズン出しているブランドもあるでしょうし、売れる枚数がロイヤリティのバロメーターとも言えます。               この投稿をInstagramで見る                    ...

指名検索の「種類」によって変わるEC運用

前回記事にて、指名検索を購買に結びつける方法を記載しましたが、一口に指名検索と言っても様々なキーワードの組み合わせが存在します。よくあるのは下記のようなものでしょうか。 ①「ブランド名 アイテムカテゴリー名」②「ブランド名 商品名」③「ブランド名 掲載雑誌名」④「ブランド名 店舗」⑤「ブランド名 地域名」⑥「ブランド名 取り扱い店舗名」 これらの組み合わせによって、取っていく対策もそれぞれ違ってきます。ではそれぞれ見ていきましょう。 「ブランド名 アイテムカテゴリー名」 ①はブランド名単体での検索を除くと検索数が一番多いものですね。「ブランド名 Tシャツ」とか「ブランド名 パンツ」とか。こちらに関しては商品ページのディスクリプションや商品コメント、コンテンツ記事にアイテム名を意識的に差し込んでおく事が求められるのですが、それ以外に関連してくるのが「ブランドにとって何がアイコンアイテムなのか?」です。デニムブランドなら「ブランド名 デニム」という風に、アイコンを含めての検索は当然ながら増えるでしょう。ですから、アイコンアイテムがより明確なブランドほど、アイテムカテゴリー名でのキーワードは随所に差し込んでおきたいところ。また、アイコンを認識させる事で、逆にそういった指名検索数を増やす事にも繋がります。普段からアイコンをプッシュする事が指名検索を購買に変えていく事にも繋がりますし、そのアイテムと言えばこのブランド!のような認知が得られるとブランディングとしても効果的なので、常日頃から訴求しておきましょう。 「ブランド名 商品名/掲載雑誌名」 ②はもっと絞り込んだ場合、つまりズバリのアイテム名で検索された時ですね。これは下の③とも関連するのですが、メディア掲載された際にこの検索ワードが増えるケースもあるからです。雑誌・Webメディアを見た人は当然ながら、①〜③のような検索行動を起こします。その際にこのワードでしっかり引っかかるようにあらかじめ準備が必要でしょう。①のケースと同様の対策でも良いと言えば良いのですが、万全を期すのであれば雑誌掲載した商品を使っての記事コンテンツを作成しておきましょう。タイトルにも雑誌名を差し込みバナーで訴求する事によって当該ページがヒットしなくとも、トップページからの流入も促進出来るでしょう。また、特集ページはCVに寄与しやすい側面もありますので、記事を経由させて売上アップを狙う、という戦略もあります。 「ブランド名 店舗」 ④の場合、狙うべきはECサイト上での注文ではなく店頭送客です。ユーザーは店舗を探して検索行動を起こしているので当然ですね。この場合、店頭送客の確率を高める為に店舗ページをしっかり作りこんでおきましょう。 上記はMM.LAFLEURのストアページですが、店頭で受けれるサービスからレビューまで掲載されています。ここまで情報発信してくれていると店頭を訪れる際に安心感がありますね。ECサイトだけで完結する事ってそんなに多くありませんので、店頭に来られるユーザーの為に何が必要な情報なのかについて想像を巡らす事も重要なポイントなのです。  「ブランド名 地域名/取り扱い店舗名」 似たような要素がこちらの⑤⑥でしょうか。地域名で探されている際に、直営店がその地域に無い事も多いでしょう。その場合、卸先が受け皿になるのでそこにもしっかり送客できるよう、卸先店舗の情報を詳細に記載しておきましょう。筆者の過去から計測しているデータを見ますと地方の場合、自社ECで売れる地域は卸先の店舗がある地域に偏りがあります。ユーザーは卸先で商品を知り、初期は卸先で買うケースが中心でしょうけど、ブランドを好きになるにつれ、フルラインアップ見たくなる、というケースもあるのです。まずは卸先でもいいからブランドを認知してもらう事が大事ですね。   このようにsearch consoleのデータを定期的に閲覧しておけば、対策を打った際に順位やクリック数がどう変化してそれがECサイトにどのような効果を与えているかが確認できますので、ブランド名単体だけではなく、様々な組み合わせの指名検索データも随時チェックしておいてください。