「その商品に需要はあるのか?」をまず確認しましょう

「その商品に需要はあるのか?」をまず確認しましょう

前回、ECでは顕在化した需要を先に取りにいくというお話をしましたが、

「そもそもうちのブランドって需要がそんなにあるのかしら?」

という方もいらっしゃるでしょう。

どんなEC関連本を読んでみても、結局物が売れるかどうかは「商品力」という結論。リピーターが増えるのも、ソーシャルのフォロワーが伸びるのも、口コミが広がるのも物ありきです。物が良くないのにECをスタートしたから売れる、なんていう都合の良いお話はこの世に存在しません。その商品の良さを増幅してくれるのがデジタルなだけですね。しかし、

「その商品は今現在、Web上でどの程度需要があるのか?」

を判断する為の指標はいくつかありますので、まずはそこからお話していきましょう。

 

ブランド認知が高まってくると伸びる数字

認知されたり、ブランドのファンが増えるとWeb上ではどのような変化が起こるのでしょうか。わかりやすい数字の変化は下記でしょうか。

・指名検索
・ABOUTページの閲覧数
・ルックページの閲覧数
・UGCの増加

ブランド名で検索行動を起こす=指名検索ですね。ブランド認知が高くなってくると当然ながらこの数字は伸びていきます。ECサイトをブックマークしておかなくても、Google検索で毎回ブランド名検索する人も結構な割合でいるでしょう。かく言う筆者も、Amazonでお買い物する際は今だにGoogle検索で「Amazon」と打ち込んでいます。指名検索は売上に直結しやすい検索行動なので、これが多いと少ないとでは状況は全然違ってきます。ではどこでこの指名検索の増減を計るのか。

Google Search Console

 それがこちら、Googleの「Search Console」ですね。どういった検索キーワードでユーザーがECサイトに流入したかがわかるソフトなので、定期的に推移を追う事で増減がわかります。

画像2

「クリック数」「表示回数」「クリック率」「掲載順位」が確認できますので、指名検索が発生している(表示回数が増えている)のに流入が無かった(クリック数が増えない)場合の原因も推測が可能です。

 

指名検索はどう増やしたらいい?

ブランド認知の指標である指名検索ですが、どうやったら増えるのか?の方法論は様々ありますね。メディア掲載したりインフルエンサーに拡散してもらったりとお金を支払う方法もありますが、一番お金がかからない方法は「店頭送客」でしょう。初期フェーズはその為にWeb(ECサイトを含む)を活用すべきです。アイテム・コーディネート紹介はもちろん、店頭で受けれるサービスの充実やキャンペーン・店頭販促の打ち出しをECサイトからソーシャルメディアに至るまでプッシュ。店頭では来店されたお客様に対し、ソーシャルやECサイトのQRコードが記載されたショップカードをお渡しし、とにかくブランド名を認知してもらえるよう徹底します。トラフィックがそれほど多くない立地に出店しているのであれば、入店客数の変動も計測しておいた方が良いでしょう。このような地道な努力の積み重ねによりブランドが認知され、指名検索が増えていくのです。Webを見て店頭に来店されるお客様は、そもそもブランドへの興味関心が高い方ですから、店頭で少し気になった商品があれば指名検索に繋がりやすい。このような手順で、ブランドとユーザーの接触回数が増えていき、最終的に購買に繋がっていくのです。

ブランドに興味関心が出てきたユーザーは、次に「どんなブランドなのか?」「どんなアイテムがあってどう合わせるのか?」が知りたくなります。その時に機能するのがABOUTページやルックページですね。ここの数字は簡単にコントロール出来るものでも無いのですが、認知度+ブランドロイヤリティのバロメーターとして活用してもらえたら良いかと。ただ、見に来たユーザーにがっかりされないように作り込んでおく必要はありますから、Googleアナリティクスにて「離脱率」や「平均ページ滞在時間」、次にどのページに遷移したかは見ておきましょう。トラフィックは多いけれど滞在時間が短く離脱率が高い、などのような現象が起こっている場合は、サイトコンテンツに問題があるかもしれませんのでご注意ください。

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離脱率・平均ページ滞在時間…「行動→サイトコンテンツ→(当該ページ)」

ページ遷移…「行動→サイトコンテンツ→(当該ページ)→ナビゲーションサマリー」

最後にUGC(ユーザージェネレイテッドコンテンツ)、所謂ソーシャルメディア上にてユーザー自身がブランドについて発信したコンテンツですが、こちらはソーシャルメディア上での口コミのようなものなので、ポジティブな口コミが増えると認知が上がり、見込み客の獲得に繋がりますし、当然指名検索も増えます。意図的に増やす事も可能ですので、また後日書きたいと思います。

 

まずはECで確認できる数字でブランド認知や商品力を計り、需要があればそこから広げていく、需要が無いのであれば立ち戻って商品企画やマーケティング戦略からやり直す。ここを無視していきなり広告宣伝費に資金を投下し過ぎると、費用対効果が合わないケースが見受けられますのでご注意あれ。