続・ポップアップショップの正解
先日、対人マンさんとR6B広報のshioriさんの3人でスペースをやった内容の書き起こしです。繊研新聞の連載では下記きれなかった、SNS広告出稿の際の注意点と、EC側で実行する作業項目+計測方法についてです。それでは早速見ていきましょう。
(繊研新聞の連載はこちらです。)
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■対人マン流広告設定の注意点
◯エリアの選定
競合他社の多すぎるエリアで広告出稿する場合は注意が必要。例えば東京付近で出店が決まっている場合、東京を含む関東近隣で一度に広告出稿すると、人口の多い東京在住の方に広告出稿される割合が高くなります。東京は競合他社が多く、来店される確率もその分減ると考えると、広告出稿は分けて実行するのがベター。具体的には、東京だけで出稿するキャンペーン・千葉・神奈川だけで出稿するキャンペーン、など個別に設定。meta広告は、最初の50クリックまでの到達が一番早かった都道府県が優先される仕組みがあるので、そのような特性を考えると分けて出稿する方が高い効果が見込めます。
◯興味関心の設定
自ブランド・競合ブランドのフォロワーをつぶさに観察。普段、何を投稿しているか?を確認し、身につけている衣料品やよく行くカフェ、購入している家具などからキーワードを選定。instagram上にあるキーワードであれば興味関心で絞り込みが可能です。競合ブランドの選定に関しては、ブランドの出自・規模感・スタイルなどから抽出。ターゲットの解像度を上げるには、普段マーケットでお客が身に付けているアイテムやお買い物している商品、マーケットに停められている自動車などを観察する癖を身につける事。慣れてくると、そのユーザーがinstagramの発見タブにはどのような投稿が表示されるか?が何となくイメージできるようになります。
◯人口の少ないエリアでの集客方法について
集客しやすいエリアに広告出稿をする際、余裕があれば次の開催地に向けて広告を出しておく。出店候補の場所を先に決めておき、その地域からのフォロワーを徐々に獲得していくイメージ。エリア別にランク分けをしておき(集客しやすいエリアをAランク、人口少ない・instagramのユーザーが少ないと思われるエリアはCランク、などなど)、Aランクは出店の頻度をそれなりに高く設定。Cランクは地域別で効果が上がってきたと思われるタイミングで出店。という手法。
◯その他の注意点
昨今、様々なSNSが乱立しており、各SNSの滞在時間が短くなっています。結果、SNSで投稿したものはユーザーに記憶されていない、という前提で計画を立てた方が良いでしょう。instagramのみを活用する場合、複数回発信しないと覚えてもらえないですが、似たような投稿ばかりしてもユーザーには見てもらえません。切り口を変えてユーザーに頻度高く発信しましょう。
■EC施策&GA4計測方法
◯EC側での作業項目
・展開予定のアイテムを一覧ページにまとめておく
ブログ機能を使った告知記事内でもOK。Shopifyなら告知記事の中にbuyボタンを簡単に設置可能。
・(複数回にわたってポップアップの展開を予定する場合)固定ページにてスケジュールを網羅
「ブランド名 店舗」の検索対策になります。
・トップページだけでなく下層ページでもポップアップ告知への導線を確保
お客様はトップページからだけでなく、下層ページからも流入します。その際、トップにしか情報が出ていないと見てもらえない可能性が高いです。(わざわざグローバルナビゲーションのブログ・NEWSをクリックしてくれるとは限りません。)商品一覧・詳細ページのフッター付近に、バナー等を設置してお知らせするか、ポップアップ機能で下層ページにてその情報をウインドウで表示させるか対策が必要になります。(チャネルトークでも対策可能です。)
・パラメータ付きURLの準備
インフルエンサー(コラボするアーティストやスタイリストなど、起用する著名人なら誰でも。)からの拡散用URLをご準備ください。instagramのストーリーズやTwitterで拡散してもらえる契約内容の場合も多々あるでしょうし、そうでなくとく好意で拡散してもらえるケースもあります。Campaign URL Builderでパラメータ付きURLをあらかじめ作成しておきましょう。(Shopifyならストア分析でEC上で購買が発生した場合、パラメータ経由で誰が何を購入したのか?まで追えます。)
※パラメータの設定方法
campaign sourceとcampaign mediumを設定するとGA4の「セッションの参照元/メディア」に文字列が反映。日付等で差別化したい場合はcampaign nameに日付をつけておけばOK。
■計測用GA4探索レポート作成
では、続いて計測用レポート作成です。主にGA4の探索を活用します。下記、レポートの参考例を掲載しておきます。
◯告知記事経由の効果検証
セグメント機能で「条件の追加」の箇所にて「ページロケーション」を選択。ページロケーションのURLには、告知記事のURLを設定。これで経由効果は検証可能ですが、もしこの記事から関連アイテムが販売されたかどうか?まで見たい場合は、
セグメント機能にて「AND」をクリック。条件の追加にて、purchaseを選択。パラメータにはitem_nameを選択し、関連アイテムをそこに入力してください。
これで、告知記事を経由且つ、特定のアイテムが販売されたセッションを絞り込みできます。あとはディメンションにて「アイテム名」、指標に「アイテムの購入数」「アイテムの収益」を選択すると、告知記事経由で販売された関連アイテムが表示されます。
◯告知記事の流入元を確認
ディメンションに「セッションの参照元メディア」「ランディングページ」、指標に「セッション」「エンゲージメント率」「eコマースの購入数」「購入の収益」などを選択。フィルター機能で、ランディングページを告知記事のURLだけ絞り込めばOKです。
これで、どのチャネルから告知記事への流入が促進されたか?がわかります。例えばP-MAXを出稿している場合、自動的にこのページへの流入が促進されたりするのですが、意図していない場合はGoogle広告側から除外設定をしておく必要があります。
SNS広告を出稿している場合、事前に設定しましたパラメータ経由の効果がこちらから見れますが、エンゲージメント率が低ければターゲティングの精度が低い可能性がありますので、このレポートを見ながら興味関心を微調整しても良いです。
また、ストア分析でutmパラメータ経由の効果が見たい場合は、上記のようにチェックボックスにチェックを入れると詳細が確認可能です。パラメータ付きのURL経由で初回購入がどれだけ発生したか?どのお客様が何を購入したか?まで追う事ができてとても便利ですね。
◯経路データ探索でどのように遷移したか?を確認
起点を告知記事のURLにしておくと、記事から商品ページに遷移しているか?がわかりますし、どの商品への遷移が多かったか?も確認可能です。また、逆に告知記事を終点にしておくと、どこから告知記事に遷移したか?も追えますので、ECサイトの導線の整備に活用可能ですね。
また、セグメントでSNS広告経由セッションのみに絞り込みすると、広告経由でどのページに遷移したのか、どこで離脱しやすかったか?は追う事もできます。
◯指名検索の増減確認
期間中、来店前や来店されたお客様が検索してブランドの情報を取得する機会が発生しますので、当然指名検索は伸びやすくなります。(ほぼ伸びていない場合、集客施策に失敗している可能性があります。)こちらはsearch consoleからブランドの指名検索の推移をご確認ください。
以上がスペースで書いた内容になります。まだ、お話し切れていない内容もありますが、7月後半に大阪でセミナー開催も予定しておりますので、もしよろしければそちらにご参加頂けますと幸いです。(無料で開催予定です。)昨今はECからスタートするブランドも珍しくありませんので(むしろそっちの方が多い)、ポップアップショップの活用は喫緊の課題になりやすいでしょう。これらの情報が参考になれば幸いです。また、個別で相談したい、という方がいらっしゃいましたらこちらからご連絡ください。